2015年5月29日金曜日

黒部峡谷鉄道の宇奈月駅にて

先週、ちょっとした用事で黒部に参りました。
(ちょっとした用事でいくところかとつっこまれそうですが・・・)
もちろんのってきましたとも、黒部のトロッコ電車。


たくさんのふしぎ傑作集『黒部の谷のトロッコ電車』を読んでおりましたので、
トロッコ電車の乗車体験がどれほどおもしろいものであったか、多くは語りますまい。
いや、しかし、すこし語りますと、この鉄道が何のために、どれだけの苦労をかさねつくられたか、
この本でそれを知るだけでも、ただの絶景ではない車窓風景が見えてきました。

黒部峡谷鉄道の宇奈月駅の売店に、
『黒部の谷のトロッコ電車』を置いてくださっていました。
黒部にお出かけの折は、トロッコ電車といっしょにこちらの本をお楽しみください。


(K)

2015年5月25日月曜日

わたしが外人だったころ

先日、新しい「たくさんのふしぎ傑作集」が発売しました。
わたしが外人だったころ』。
哲学者・鶴見俊輔さんと、イラストレーターの佐々木マキさんによる作品です。

 
 
鶴見さんは16才のとき、ひとりアメリカへ渡りました。
現地の大学に在学中、太平洋戦争がはじまります。
敵国人として留置場に入れられ、その後帰国しますが、
アメリカにいても日本にいても、自分を「外人」と感じ生きてきたと言います。
 


自分を外人と感じるのは、どんな気分なのでしょうか。
さびしい気分なのでしょうか。
 
鶴見さんは、その頼りない気分が、
今の自分のくらしを支える「力」になっていると言います。

 


私たちはふつう、どこかに属していますよね。属することによって、おおきな安心を得るものです。

一方で、そこの「外」側にいる人はどうでしょう。疎外感や、失望感を感じている人もいるのではないでしょうか。生きていく辛さや、しんどさに繋がってしまうこともあるかもしれません。

そんな外側を歩む人に、本書は静かに、しかし力強く、エールを送っているように感じるのです。
 
佐々木マキさんによる美しい絵が、ともすれば重くなりそうなテーマを、やわらかく包み込んでいます。子どもには少し難しい部分があるかもしれませんが、示唆あふれる味わい深い作品を、この機会にぜひ楽しんでいただきたいと思います。
 
N

2015年5月8日金曜日

川のホタル 森のホタル

ホタルの光というと、人間にとっては幻想的でどこか懐かしいものの象徴でもありますね。しかしそんなホタルたちが、生物として生き残るため、卵や幼虫、さなぎのときまで光っている、そんな驚きの生態を描いているのが、たくさんのふしぎ6月号『川のホタル 森のホタル』です。

ヘイケボタルのサナギ

著者の宮武健仁さんがホタルを撮影するフィールドのひとつが、故郷に近い徳島県吉野川市美郷。ここにある「美郷ほたる館」は、展示も充実していますが、すぐわきを流れる川でホタルたちを見られることも魅力。

http://www.misato-hotarukan.jp/

宮武さんによれば、数百匹のホタルが舞い飛ぶ光景を、「ホタル館の真横で見られる」とのことです。本誌5ページの写真もそのあたりで撮影したもの。



ホタルの季節には、周辺にたこ焼きやフランクフルトの屋台も出現するほどの賑わいになるそうです。おおかたの人たちは、夜8時前後のホタルが光るピークを過ぎるとお帰りになるので、(お子さん連れでは難しいですが)じっくり眺めたければ、11時ころからの2度目のピークをねらうのがよいかもしれません。ただ、ホタルは懐中電灯や車のライト(特にハザードランプの黄色い光)の影響を受けやすいと言われています。見物の際は、光るものは必要最低限のものだけに。
 
余談ですが、私は子どものときに本で読んだ、広島県に伝わる「ほたる合戦」の話が印象に残っています。戦国時代、毛利家と尼子家の戦いで亡くなった人たちの魂が、ホタルに宿って、今でも川をはさんで戦っているという話でした。いつかじっくり、そのゆかりの地を訪ねてみたいと思っています。
 
(I)

2015年5月1日金曜日

代官山 蔦屋書店さんで『いのちのひろがり』フェア開催中

代官山 蔦屋書店さんで、
『いのちのひろがり』(たくさんのふしぎ2015年4月号)を中心にして、
生命の多様な世界を描いた本を紹介するフェアが開かれています。



小誌5月号『木の実は旅する』や、
松岡達英さんの『ちきゅうがうんちだらけにならないわけ』などの生きものの本から、
『しずくのぼうけん』のように水の循環を描いた本まで、
さまざまな角度から「生命」や「地球」について考える作品がそろっています。

ちょうど緑がもっとも美しい季節をむかえ、
花がそこかしこに咲き、虫のうごきが活発になる季節です。
『いのちのひろがり』をはじめ、ここで紹介されている本を読めば、
身の回りにある自然のふしぎを、きっとあらたに発見できるはずです。

こちらのフェアはゴールデンウィーク明けまでの予定です。


代官山 蔦屋書店さんでは、
「たくさんのふしぎ」のバックナンバー、「たくさんのふしぎ傑作集」を
常時とても見やすい場所においてくださっています!


代官山のほうへお出かけになったら、ぜひお立ち寄りくださいね!

(K)