植物からなぜシャボン玉ができるのでしょう。
それは、植物に含まれる「サポニン」という物質のためです。
このサポニンは、身近な雑草から野菜やマメまで、非常に多くの植物に含まれています。
これが界面活性剤の働きをするのです。
簡単に言うと、石けんのように使うことができます。
しかし一口にサポニンといっても、その種類は様々で、植物によって含まれるものは違うのです。
特にムクロジやサイカチは泡立ちのよさから、世界各地で洗濯などに使われてきました。
サイカチのサヤと、若いムクロジの実 |
サポニンが含まれているかを知るのは簡単。
植物を細かくし、水に入れて振ってみればよいのです。
この方法は薬学の現場でも、サポニンの有無を簡単に判定する方法として使われているそうです。
著者の高柳さんは、いろいろな植物を実験していくうち、泡立ちのよい種類の植物でも、うまくシャボン玉になるものとならないものがあることに気がつきました。
ダイズの泡 |
ひとつひとつの泡が大きいものと、細かい泡がたくさんたつもの。泡が立つといっても、その様子は植物によって異なっているのです。
シャボン玉になりにくい植物でも、なんとか作れないものだろうか。
そこで高柳さんが編み出したのが、植物のごく細い茎をストローにして吹く方法でした。
そーっと吹くと、ぷくっとした泡の球ができるのです。
市販のシャボン液とは違い、大人でもかなりの集中力が要求されるこのシャボン玉遊びは、できた時の喜びもひとしおです。
本では、シャボン玉液を作り方や吹く時のコツも載せています。
シャボン玉を吹くのが難しいという子には、半円のシャボン玉遊びも楽しいですよ。
ムクロジの半円シャボン玉 |
ストローからシャボン液まで、すべて植物でまかなってしまうという植物遊びの一冊です。作り方は簡単!! ぜひ試してみてください。