作者の木原育子さんは、現役の新聞記者です。2014年に中日新聞(東京新聞)で掲載された、「さまよう日章旗」という連載記事の取材班の一人でした。
https://www.chunichi.co.jp/hold/feature/wandering_flag/list/CK2014081502000066.html
今回の絵本は、その記事が基となっています。太平洋戦争で戦った日本兵の日章旗がアメリカで発見され、その持ち主を、木原さんたち記者が探し歩く様子を描きます。
主人公の一郎くんは、出征前は静岡市の郵便局で働いていました。
一郎くんを知る人たちに取材し、誰からも好かれる好青年だったことがわかってきます。木原さんはその一郎くんの写真を探しますが、静岡が空襲で焼け野原となったためか、写真はどこにも残されていません。
あきらめかけた木原さんでしたが……
息子を待つ母、弟のために日章旗に寄せ書きを集める姉、そしてそれらの事実を見つけだしていく記者。
さまざま人たちの思いがつまった絵本です。
一郎くんたちが遊んでいた神社 |
新聞記事や絵本にも書ききれなかった、一郎くんと残された人々についてのことを、福音館書店公式Webマガジン「ふくふく本棚」で紹介しています。よろしければご一読ください。(I)
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