たくさんのふしぎ9月号『かんころもちと教会の島』
9月号は『かんころもちと教会の島』(にしむらかえ 文・絵)です。
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=6875
長崎県の名物お菓子「かんころもち」。「かんころ」とは乾燥芋のことことです。かんころもちは、うすく切って焼いて食べると、香ばしく、さつまいもの自然な甘みが口に広がる、とてもおいしいおもちです。このかんころもち、実は、江戸時代のキリスト教が禁じられていた間、ひそかにその教えをまもってきた、潜伏キリシタンの人びとと深いかかわりがあるのです。
作者のにしむらかえさんは、長崎県在住。舞台となる上五島の島々を数年にわたって取材してきました。
江戸時代、迫害をのがれたキリシタンの人びとは、上五島の山にたどりつきました。そこで急斜面を耕し、かんころを作って保存し、命をつないだきたのです。
現在でも上五島では、集落ごとにたてられた小さな教会が29もあります。花でかざられたその教会に、夕方になると子どもからお年寄りまで集まり、ミサが開かれます。そうしてキリスト教をまもってきた人びとが、かんころもちをつくる人たちでもあります。
おいしいお菓子と宗教の歴史をたどる今月号。34-35ページの絵地図を見ながら、本での旅をお楽しみください。
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