2020年7月8日水曜日

たくさんのふしぎ8月号『空があるから』

梅雨でじめじめとしたお天気がつづきますね。
スカッと晴れ渡った青空が待ち遠しいという方も多いでしょう。
たくさんのふしぎ8月号は、『空があるから』です。
わたしたちの頭上にひろがる、広~い空の大切な役割を描いたお話です。


本をひらくと、きれいな青空がひろがります。
空のうえには、雲をのぞけば「何もない」と思うでしょう。



しかし空には「酸素」や「二酸化炭素」などのガスや、「水蒸気」などが存在します。
実はそれらが、地球の温度をちょうどよく調整しています。

もし地球に空(大気)がなかったら、地球はもっと「寒い星」になっていたと考えられるのだそう。



本の中では、太古の地球についてや、地球のおとなりの星、金星や火星の環境についても紹介していますよ。



地球に青く美しい空があるから、わたしたちは生きていける――。
そんな幸福なイメージを、この本を通して感じていただけたら嬉しいです。
夏らしい爽やかな彩りの作品です。

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2020年6月11日木曜日

たくさんのふしぎ7月号『街のネズミ』

たくさんのふしぎ2020年7月号は『街のネズミ』(原 啓義 文・写真)です。


表紙を開くと、まずは丸々とした一匹と目が合います。ちょっとほほえんでいるようにも見える、ふしぎな表情です。


著者の原さんが、「昔話の『おむすびころりん』のように、ネズミの世界に行くような感じで、本を見てもらいたい」と話していたことから、この写真を最初のページに使うことが決まりました。
ひとくちにネズミと言っても、その表情や顔つきはさまざま。

こちらを見つめる一匹は、どこか思慮深げに感じます。


また、裏表紙の一枚は銀座の街路樹の根元から顔を出したところです。最初にこの写真を目にした時、まさか銀座にいるドブネズミだとは思いませんでした。


警戒心の強い彼らの耳は絶えず動いているので、このように耳がそろって正面を向いた時を撮るのは、とても難しいそうです。

こうした愛らしい表情やしぐさは、気配を消して長時間たたずみ、彼らとの距離やタイミングを慎重にはかった末、撮影されたものです。

(この本では残念ながら載せられませんでしたが、カラスをアップで撮った写真も、九官鳥のような愛嬌のある表情が捉えられていたのを見て、びっくりしました)

普段、なかなか目にすることがないネズミたちの世界を、ぜひご覧いただければと思います。

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2020年5月14日木曜日

6月号『まぼろし色のモンシロチョウ 翅にかくされた進化のなぞ』

 今朝、東京の外濠公園。土手に咲くカラシナのまわりをモンシロチョウがひらひら飛んでおりました。これまでは、ああモンシロチョウがおるなあ、くらいしか思いませんでした。しかし、今は違います。なぜなら、たくさんのふしぎ6月号、『まぼろし色のモンシロチョウ 翅にかくされた進化のなぞ』(小原嘉明 文/石森愛彦 絵)を担当したからです。

上のほうにはしっかり東京のモンシロの姿が

モンシロチョウはオスとメスをどうやって見わけているのか知っていますか? 答えは翅の色。でもそれは人間には見えない紫外色なのです。さらに調べていくと、日本と違い、ヨーロッパのモンシロチョウの翅には紫外色がないことがわかってきました。いったいなぜ? 身近なモンシロチョウの翅に隠された進化のなぞにせまります。
「モンシロチョウはメスの翅だけに紫外色がふくまれている。モンシロチョウのオスは交尾相手のメスをその色で見わけている」。ここまでのことは子ども向けの昆虫図鑑にも出ていますし、インターネットで検索をすれば容易に知ることができます。もともとこれを解き明かしたのが、本作の著者であり、40年以上、昆虫を研究されてきた小原嘉明さんでした。



 しかし、小原さんの研究はそこで終わっていません。さらに調べていくと、モンシロチョウが最初に現れたヨーロッパでは、モンシロチョウのメスの翅には紫外色がないことがわかったのです。では、イギリスのオスはどうやってメスを見わけるのか、ヨーロッパから日本へどのようにしてモンシロチョウはやってきたのか、そもそもなぜメスの翅に紫外色がふくまれるようになったのか、本作ではモンシロチョウの翅に隠された謎を解き明かしていきます。



 さらに、この絵本はモンシロチョウの翅にまつわる未解明の謎で締めくくられています。それは、モンシロチョウの名前の由来にもなってる黒い斑紋です。斑紋のないモンシロチョウがいたり、2つのものがいたり、斑紋の個体差が大きいのです。どうしてこうなっているのか。小原さんはそれがもしかしたら「中立進化」したものではないかと書いています。もしそれを証明することができれば、世界的な大発見になるとも言います。40年以上、昆虫を研究してきた小原さんならではの言葉です。身近な昆虫でも、わかっていないことがたくさんあります。子どもたちに未知なるものへの好奇心を持ち続けてほしいとの思いから、これからの進化生物学で重要な概念になっていくであろう「中立進化」を盛り込みました。



絵を担当したのは石森愛彦氏です。小原氏とのコンビでの絵本は、『暗闇の釣り師 グローワーム』(たくさんのふしぎ2015年1月号)につづき2作目です。石森氏は、大の虫好きです。小原さんのテキストをそのまま絵にするだけではなく、テキストには書かれていない研究のこぼれ話や、モンシロチョウ観察のポイントなども盛り込んで、子どもたちが親しみやすい作品に仕上げてくださいました。    



巻末付録の「ふしぎ新聞」の「作者のことば」のなかで、研究者になりたい子どもたちにむけて、小原さんはこんなことを書かれています。
「私は皆さんが、今関心を持っていることがあるのなら、そしてその謎を知りたいと思うのであれば、それがどんなに子供じみているとか、あるいは「何の役に立つの?」と言われようとも気にする必要はありません。知りたいことがあったら、何でもやってみてください。お父さんやお母さんに「なぜ? どうして?」と執拗に問いかけて困らせる、その好奇心を失わないでください。その科学的好奇心を持っていることは、研究者であることのもっとも大事な条件です。その意味で皆さんは、科学者あるいは研究者なのです。」



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K

2020年4月6日月曜日

たくさんのふしぎ5月号『ポリネシア大陸』

たくさんのふしぎ5月号は『ポリネシア大陸』(野村哲也 文・写真)です。


写真家の野村哲也さんは、ある日タヒチ島でイースター島のあるモアイ像によく似た石像を見つけます。前から見ても後ろから見ても、正座をしたような姿がそっくりです。


しかし二つの島は4,000㎞も離れています。果たして古代の人がそんな長い距離を船で航海していたのだろうか……。

その時、野村さんはイースター島から3,800㎞も離れたペルーにある古代インカ遺跡「マチュピチュ」の石組みがよく似ていることを思い出します。


古代ポリネシアの人々にとって、長距離の航海は決して不可能ではなかったのではないか。その考えの根拠となったある研究がありました。

ペルーからイースター島へサツマイモがもたらされ、にわとりはタヒチからイースター島、そしてペルーへ渡ったことが遺伝子の研究により2006年に明らかになったのです。

もしかしたら、人々は大海を自由に行き来していたのかもしれない――そう考えた野村さんは、その痕跡を辿るべく、太平洋を囲む地域を旅して、さらに古代の人々の交流を探っていきます。

古代の遺跡や石像を追えば、謎がさらなる謎を呼ぶ……スケールの大きな旅をぜひあなたも体感してみてください。



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2020年3月11日水曜日

たくさんのふしぎ2020年4月号『アラスカで一番高い山 デナリに登る』



デナリは標高6000mを超す北アメリカ大陸の最高峰で、少し前まではマッキンリーという名前でも親しまれていた山です。
4月号は、その山に登った写真家・石川直樹さんのお話です。

1998年、当時20歳だった石川直樹さんは、荷運びの一員としてデナリ登山に参加しました。その時は高山病で極限まで疲弊しながらも、なんとか頂上へたどりつくことができたそうです。

20歳当時、頂上にて。高山病で顔がむくんでいる


それから18年後の2016年、彼はふたたびデナリへ登ることにします。
今度はひとりきりの登山のため、荷物や食料はすべて自分で運ばなければなりません。


荷物をソリにのせ運んでいく

登山道具も紹介します


不安と畏れを感じながら、ぶじ登頂したとき、これまでにないほどの充足感とともに「生きる」ことの実感がこみあげてきたといいます。

美しい景色が目の前に…!

地球をくまなく冒険する写真家が感性豊かに綴った、さわやかな写真絵本です。
ぜひこの作品でデナリの凜とした空気に触れてみてください。

付録として、デナリからの壮観な景色を味わえる一枚絵がついています。

付録の一枚絵(ポスター)


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