2020年11月12日木曜日

たくさんのふしぎ12月号『おんまつり』

 たくさんのふしぎ2020年12月号は『おんまつり』(岩城範枝 文 小西英子 絵)です。



この本の取材では、驚くことばかりがありました。

真夜中の12時、大ぜいの神主さんに囲まれた若宮さま(神さま)の行列についていくと、真っ暗で寒いなか、参道の両側に、奈良の町の人たちが大人から子どもまで、びっしりと並んで行列を見守っています。

昼のお祭りの取材中では、大通りの柵に鹿がひっかかっているのを目撃しました。その救出を待って車が渋滞となっていますが、だれも文句をいいません。



夜のかがり火に照らされた舞楽では、東南アジアテイストの演目が延々と続いています。奈良って昔から国際都市だったんだ! 


奈良から都が移されて、1200年以上がたちました。それでもきっと、ことに精神的な意味では、今も奈良は日本の中心であり続けているのです。


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2020年10月15日木曜日

 たくさんのふしぎ11月号は『トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ』(長倉洋海 写真・文)です。

 社会も政治も教育も、ニュースを見ていると気が滅入りそうになることが多い今日この頃ですが、長倉洋海さんが撮影したシベリアにすむネネツの人たちの姿を見ていると、「生きているって、なんてすばらしいことだろう」と、なんだか元気がわいてくる作品です。


遊牧民「ネネツ」の生活は、すべてがトナカイに支えられています。トナカイを放牧しながら、ツンドラを移動してくらしています。トナカイの肉を食べ、トナカイの皮で作ったテントに住み、着る物はトナカイの脚の腱をよった糸でトナカイ皮を縫って作ります。ネネツはずっとこの伝統的な放牧生活を続けてきました。そこには作物の育たないシベリアの大地を生き抜く智恵がつまっています。



担当者が好きな写真は16ページにあるトナカイ肉を食べる子どもを撮した一枚。




ネネツの人たちはかたくなに伝統を守っているだけではありませんトナカイを売ったお金で子どものおもちゃや生活に必要なものを買います。インターネットや携帯電話、スノーモービルは生活に欠かせません。子どもたちは寄宿舎でロシア式の教育を受けるようにもなっています。伝統を守りながら、文明とまざり合って、ネネツのくらしはできあがっているのです。




インターネットで検索すれば、世界中のあらゆる場所の情報を得ることができます。写真も無数に出てきます。しかし、実際にその場所に行き、現場の空気を吸い、寝食をともにした人だけが伝えることのできるものがあります。長倉洋海さんの写真には、ネネツのくらしのありのままが撮されています。ただの記録写真を超えて、長倉さんのネネツの人たちへのあたたかなまなざしは、彼ら彼女たちの生きる姿の力強さをとらえています。そして、本を読み終えると、「生きる幸せとは何か?」という、遠く離れた土地でくらすネネツと私たち日本人に共通するものが浮かび上がってきます。『トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ』は、写真絵本の力を改めて感じさせてくれる作品だと、担当者は考えています。



(K)

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2020年9月10日木曜日

たくさんのふしぎ10月号『光の正体』

10月号は『光の正体』(江馬一弘 文 松井しのぶ 絵)です。



夜空の星の光や、お日様の光、照明の光――。
わたしたちのまわりは「光」であふれています。


では、そもそも光ってなんなのでしょう?

答えは、「電気でできた波(電磁波)」です。
……ときいても、なかなか想像できないのではないでしょうか。

そこでこの絵本では、光の実体を感じていただくため、光を「光の子」として表現しました。
彼らがわたしたちのまわりを、びゅんびゅんと飛び交っているのです。
1秒間に地球を7周半するという、宇宙一のスピードで!


光は、「色」とも深い関わりがあります。
光の子の背中には、長いマントがついているのですが、
このマントの形状のちがいを、わたしたちは色のちがいとして認識するのです。


夜空の星の光が地球にとどくときも、あるふしぎなことが起きています。
そこから光のもつ深遠な世界が見えてきます。





















本書で、身近ながら奥深い光の世界の面白さを味わってみてください!

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2020年8月11日火曜日

たくさんのふしぎ9月号『イカは大食らい』

たくさんのふしぎ2020年9月号は『イカは大食らい』(吉野雄輔 文・写真)です。 






イカもマグロも、お刺身や寿司ネタとして人気です。

そのためか、食材としてのイカの書籍は多くありますが、生物として紹介するものは少ないようです。

作者の吉野雄輔さんは水中カメラマンで、イカについてもめずらしい種をたくさん撮影しているのですが、今回編集者が驚いたのは、「ふつうのイカ」のすごさです。

スルメイカ、アオリイカ、コウイカなど、魚屋やスーパーでもなじみ深いイカたちが、海中では美しい体と優秀なハンターぶりを見せます。「大食らい」によって早く成長するイカですが、イカもまた、マグロなど大型の魚のエサになっています。

実はこの素早い成長が、結果的に海中の栄養をまとめてマグロなどに与えることとなっています。

やはり生物にはそれぞれ自然界での役割があるのだな、と思いながら、回るお皿の上のイカやマグロを見つめると、より輝きが増してくるように思えます。


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2020年7月8日水曜日

たくさんのふしぎ8月号『空があるから』

梅雨でじめじめとしたお天気がつづきますね。
スカッと晴れ渡った青空が待ち遠しいという方も多いでしょう。
たくさんのふしぎ8月号は、『空があるから』です。
わたしたちの頭上にひろがる、広~い空の大切な役割を描いたお話です。


本をひらくと、きれいな青空がひろがります。
空のうえには、雲をのぞけば「何もない」と思うでしょう。



しかし空には「酸素」や「二酸化炭素」などのガスや、「水蒸気」などが存在します。
実はそれらが、地球の温度をちょうどよく調整しています。

もし地球に空(大気)がなかったら、地球はもっと「寒い星」になっていたと考えられるのだそう。



本の中では、太古の地球についてや、地球のおとなりの星、金星や火星の環境についても紹介していますよ。



地球に青く美しい空があるから、わたしたちは生きていける――。
そんなしあわせなイメージをこの本を通して感じていただけたら嬉しいです。
夏らしい爽やかな彩りの作品です。

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