2020年9月10日木曜日

たくさんのふしぎ10月号『光の正体』

10月号は『光の正体』(江馬一弘 文 松井しのぶ 絵)です。



夜空の星の光や、お日様の光、照明の光――。
わたしたちのまわりは「光」であふれています。


では、そもそも光ってなんなのでしょう?

答えは、「電気でできた波(電磁波)」です。
……ときいても、なかなか想像できないのではないでしょうか。

そこでこの絵本では、光の実体を感じていただくため、光を「光の子」として表現しました。
彼らがわたしたちのまわりを、びゅんびゅんと飛び交っているのです。
1秒間に地球を7周半するという、宇宙一のスピードで!


光は、「色」とも深い関わりがあります。
光の子の背中には、長いマントがついているのですが、
このマントの形状のちがいを、わたしたちは色のちがいとして認識するのです。


夜空の星の光が地球にとどくときも、あるふしぎなことが起きています。
そこから光のもつ深遠な世界が見えてきます。





















本書で、身近ながら奥深い光の世界の面白さを味わってみてください!

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2020年8月11日火曜日

たくさんのふしぎ9月号『イカは大食らい』

たくさんのふしぎ2020年9月号は『イカは大食らい』(吉野雄輔 文・写真)です。 






イカもマグロも、お刺身や寿司ネタとして人気です。

そのためか、食材としてのイカの書籍は多くありますが、生物として紹介するものは少ないようです。

作者の吉野雄輔さんは水中カメラマンで、イカについてもめずらしい種をたくさん撮影しているのですが、今回編集者が驚いたのは、「ふつうのイカ」のすごさです。

スルメイカ、アオリイカ、コウイカなど、魚屋やスーパーでもなじみ深いイカたちが、海中では美しい体と優秀なハンターぶりを見せます。「大食らい」によって早く成長するイカですが、イカもまた、マグロなど大型の魚のエサになっています。

実はこの素早い成長が、結果的に海中の栄養をまとめてマグロなどに与えることとなっています。

やはり生物にはそれぞれ自然界での役割があるのだな、と思いながら、回るお皿の上のイカやマグロを見つめると、より輝きが増してくるように思えます。


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2020年7月8日水曜日

たくさんのふしぎ8月号『空があるから』

梅雨でじめじめとしたお天気がつづきますね。
スカッと晴れ渡った青空が待ち遠しいという方も多いでしょう。
たくさんのふしぎ8月号は、『空があるから』です。
わたしたちの頭上にひろがる、広~い空の大切な役割を描いたお話です。


本をひらくと、きれいな青空がひろがります。
空のうえには、雲をのぞけば「何もない」と思うでしょう。



しかし空には「酸素」や「二酸化炭素」などのガスや、「水蒸気」などが存在します。
実はそれらが、地球の温度をちょうどよく調整しています。

もし地球に空(大気)がなかったら、地球はもっと「寒い星」になっていたと考えられるのだそう。



本の中では、太古の地球についてや、地球のおとなりの星、金星や火星の環境についても紹介していますよ。



地球に青く美しい空があるから、わたしたちは生きていける――。
そんなしあわせなイメージをこの本を通して感じていただけたら嬉しいです。
夏らしい爽やかな彩りの作品です。

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2020年6月11日木曜日

たくさんのふしぎ7月号『街のネズミ』

たくさんのふしぎ2020年7月号は『街のネズミ』(原 啓義 文・写真)です。


表紙を開くと、まずは丸々とした一匹と目が合います。ちょっとほほえんでいるようにも見える、ふしぎな表情です。


著者の原さんが、「昔話の『おむすびころりん』のように、ネズミの世界に行くような感じで、本を見てもらいたい」と話していたことから、この写真を最初のページに使うことが決まりました。
ひとくちにネズミと言っても、その表情や顔つきはさまざま。

こちらを見つめる一匹は、どこか思慮深げに感じます。


また、裏表紙の一枚は銀座の街路樹の根元から顔を出したところです。最初にこの写真を目にした時、まさか銀座にいるドブネズミだとは思いませんでした。


警戒心の強い彼らの耳は絶えず動いているので、このように耳がそろって正面を向いた時を撮るのは、とても難しいそうです。

こうした愛らしい表情やしぐさは、気配を消して長時間たたずみ、彼らとの距離やタイミングを慎重にはかった末、撮影されたものです。

(この本では残念ながら載せられませんでしたが、カラスをアップで撮った写真も、九官鳥のような愛嬌のある表情が捉えられていたのを見て、びっくりしました)

普段、なかなか目にすることがないネズミたちの世界を、ぜひご覧いただければと思います。

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2020年5月14日木曜日

6月号『まぼろし色のモンシロチョウ 翅にかくされた進化のなぞ』

 今朝、東京の外濠公園。土手に咲くカラシナのまわりをモンシロチョウがひらひら飛んでおりました。これまでは、ああモンシロチョウがおるなあ、くらいしか思いませんでした。しかし、今は違います。なぜなら、たくさんのふしぎ6月号、『まぼろし色のモンシロチョウ 翅にかくされた進化のなぞ』(小原嘉明 文/石森愛彦 絵)を担当したからです。

上のほうにはしっかり東京のモンシロの姿が

モンシロチョウはオスとメスをどうやって見わけているのか知っていますか? 答えは翅の色。でもそれは人間には見えない紫外色なのです。さらに調べていくと、日本と違い、ヨーロッパのモンシロチョウの翅には紫外色がないことがわかってきました。いったいなぜ? 身近なモンシロチョウの翅に隠された進化のなぞにせまります。
「モンシロチョウはメスの翅だけに紫外色がふくまれている。モンシロチョウのオスは交尾相手のメスをその色で見わけている」。ここまでのことは子ども向けの昆虫図鑑にも出ていますし、インターネットで検索をすれば容易に知ることができます。もともとこれを解き明かしたのが、本作の著者であり、40年以上、昆虫を研究されてきた小原嘉明さんでした。



 しかし、小原さんの研究はそこで終わっていません。さらに調べていくと、モンシロチョウが最初に現れたヨーロッパでは、モンシロチョウのメスの翅には紫外色がないことがわかったのです。では、イギリスのオスはどうやってメスを見わけるのか、ヨーロッパから日本へどのようにしてモンシロチョウはやってきたのか、そもそもなぜメスの翅に紫外色がふくまれるようになったのか、本作ではモンシロチョウの翅に隠された謎を解き明かしていきます。



 さらに、この絵本はモンシロチョウの翅にまつわる未解明の謎で締めくくられています。それは、モンシロチョウの名前の由来にもなってる黒い斑紋です。斑紋のないモンシロチョウがいたり、2つのものがいたり、斑紋の個体差が大きいのです。どうしてこうなっているのか。小原さんはそれがもしかしたら「中立進化」したものではないかと書いています。もしそれを証明することができれば、世界的な大発見になるとも言います。40年以上、昆虫を研究してきた小原さんならではの言葉です。身近な昆虫でも、わかっていないことがたくさんあります。子どもたちに未知なるものへの好奇心を持ち続けてほしいとの思いから、これからの進化生物学で重要な概念になっていくであろう「中立進化」を盛り込みました。



絵を担当したのは石森愛彦氏です。小原氏とのコンビでの絵本は、『暗闇の釣り師 グローワーム』(たくさんのふしぎ2015年1月号)につづき2作目です。石森氏は、大の虫好きです。小原さんのテキストをそのまま絵にするだけではなく、テキストには書かれていない研究のこぼれ話や、モンシロチョウ観察のポイントなども盛り込んで、子どもたちが親しみやすい作品に仕上げてくださいました。    



巻末付録の「ふしぎ新聞」の「作者のことば」のなかで、研究者になりたい子どもたちにむけて、小原さんはこんなことを書かれています。
「私は皆さんが、今関心を持っていることがあるのなら、そしてその謎を知りたいと思うのであれば、それがどんなに子供じみているとか、あるいは「何の役に立つの?」と言われようとも気にする必要はありません。知りたいことがあったら、何でもやってみてください。お父さんやお母さんに「なぜ? どうして?」と執拗に問いかけて困らせる、その好奇心を失わないでください。その科学的好奇心を持っていることは、研究者であることのもっとも大事な条件です。その意味で皆さんは、科学者あるいは研究者なのです。」



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