2018年7月11日水曜日

『デタラメ研究所』

たくさんのふしぎ2018年8月号は『デタラメ研究所』です。



サイコロを見ると、小学生のときに経験した
摩訶不思議なきもちがよみがえります。

<サイコロをふったとき、「1」の目がでる“確率”は6分の1>
この法則を学校できいてきた担当は、
放課後、家のボードゲームの箱からおもむろにサイコロをとりだし、
30回、ほんとうにサイコロをふってみることにしました。

果たしてその結果は?
6分の1からは、ほど遠く、
「1」が2回、「2」は8回、「3」は・・・・・・と、
とても偏った結果になったのでした。

なにかよからぬ世界と通じたような思いがし、
すぐにサイコロをしまったのを、昨日のように覚えています。

こんな体験をした人は意外に多く、この話をすると、
やったことある! あれ、6分の1にならないよね!
という反応がかえってきます。100回以上試した強者、
なかには、自由研究のテーマにまでした人もいました。

そこで、いつかこの不思議をテーマにした1冊をと考え、
統計学とプログラミングを研究する小波秀雄さん、そして
『8月のソーダ水』などのマンガで人気のコマツシンヤさんを
著者におむかえし取り組んだのが、この本です。
(企画より完成まで、7年を要しました!)

マンガ形式でお送りする、不思議な確率と統計の世界への
イントロダクションです。

ご案内するのは、デタラメ研究所所員のアールくん。
アールくんに導かれ、大冒険するのは
サイコロをふって「1」が3回連続してでただけで
「奇跡だ!」と言ってしまうエヌくんです。

さて、どんな旅になるのか、本誌でごらんください!















2018年5月15日火曜日

『10才のころ、ぼくは考えた。』

たくさんのふしぎ2018年6月号は『10才のころ、ぼくは考えた。』です。


いまから7年前、『月へ行きたい』という本を刊行したとき、
感想を書いて送ってくれた10才の男の子がいました。
感想につづけて、
「最近、どうして人間は生きているのか、宇宙のはては? 
世界はどうしてあるのか? 死んだらどうなるのか? 
ということを考えて眠れなくなります。
こういったことを考えているとわかると変だと思われるので
だれにもいいませんけど」
というメッセージが記されていました。

「たくさんのふしぎ」を担当していると、
自然科学系の研究者や在野で探求をつづける方々とお話をする機会が多くなります。
そういった方々は、たとえばある虫や動物を追い、
どうして彼らがそういう行動をとるのか? また、どうやってある物質はできるのか? という問いをたて、探求していきます。

ところが、そういう探求の仕方では、手が届かない問いもでてきます。
それが、7年前にお手紙をくれた少年が届けてくれた、
なぜ私は生きているのか? という問いなのではないかと思います。

それにこたえようとするのが「哲学」という学問で、
この本は、32才の若き哲学者下西風澄さんが少年時代に
考えていたことを回想録としてかたちにしたものです。

下西さんが子どものころ作っていた石のネズミ

こういうことを考えている子どもは、
皆ではないのかもしれないのではないかと思いますが、
どこかにいるそんなちいさな哲学者たちに考える手立てのひとつの例を届けたい、
またささやかななぐさめ、もしくはエールになったらと本づくりにあたりました。

どうぞご覧ください。

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2018年4月10日火曜日

『海中を飛ぶ鳥 海鳥たちのくらし』

たくさんのふしぎ2018年5月号は『海中を飛ぶ鳥 海鳥たちのくらし』です。


作者の寺沢孝毅さんは、
北海道の天売島で小学校の先生をしながら、
そこで繁殖する海鳥たちの観察や保護活動を続け、
その後世界じゅうの海鳥たちを撮影するようになった写真家です。



その寺沢さんに、
「海鳥とはどんな生きものなのか描いてみませんか」と
お願いしてできたのが今月号です。

おなじみのカモメやペンギンから、天売島に繁殖するウトウ、


南極と北極周辺を片道12000キロメートルも移動するハシボソミズナギドリ、

羽ばたきをせずに数時間飛ぶことができるニュージーランドアホウドリなど、


様々な海鳥が、空、海、陸でどのように過ごしているのか、
鮮やかに写し出されています。


海鳥はその名の通り海でくらすようになった鳥たちなので、
陸上で動くのは苦手で歩き方もぎこちなく
(ペンギンがよちより歩きなのもそのせいなのですね)、
肉食動物などの天敵にも狙われやすいのです。

だから海でだけ生きていければいいのですが、
どうしても陸に上がらなければならないときがあります。
それは、卵をかえしてヒナを育てるとき。

海鳥たちはさまざまな工夫をこらして、
危険な陸上での子育てを乗り切っています。

そんな子育て奮闘記をお楽しみください。




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2018年3月13日火曜日

『森の舞台うら』


あたりまえのようにあるもののなかに、
驚くような仕組みが隠されていることがあります。
「森の土」がそうです。
たくさんのふしぎ4月号『森の舞台うら』(松浦陽次郎 文/山村浩二 絵)では、
森の土と樹木の間にある、複雑な仕組みをわかりやすく紹介します。


 
本作を担当するまで、
実は担当者も森の土について知らないことばかりでした。
たとえば、木が養分を吸収することのできる土は、
どれくらいの深さまであるでしょうか?
場所にもよりますが、その深さはせいぜい20センチほど。
スコップですこし掘れば出てくるぐらいの範囲です。
もっと深くまであると思っていたのに・・・・・・
 

 
しかも、落ち葉を、動物たちと菌類がすこしずつ分解して、
動物のフンと砂や粘土などの鉱物と菌類の糸があわさって、
この薄い土の層ができるまでには、数十年以上かかるというのです。
なんと気の遠くなるような・・・・・・
 

 
文を担当した松浦陽次郎さんは、パプアニューギニアなどの熱帯から、アラスカなどの北極圏まで、
世界各地の森林と土壌を研究されています。
打合せで、こうおっしゃっていたことがあります。

「土壌を研究すればするほど、それがどれほどよくできたシステムかがわかるんです。
人間には絶対に作りだせないほど、繊細で精巧なものなんです」

ひとつの例として、メソポタミア文明のあった地域は今では砂漠地帯ですが、
文明が栄えていたころには、森林が広がっていたそうです。
しかし、人間が燃料にするために木をかりつくし、土壌がだめになり、
食料の生産もできなくなり、文明が崩壊してしまったのだとか。
たしかにあの地域の森林は数千年経った今でも戻ってきていません。



担当者は子どもの頃から、
土のなかの養分や水分を吸収するのは、木の根だけだと思っていました。
しかし、実は木の根と菌類は共生していて、
菌が根の入りこめないすきまに菌糸をのばし、
根よりも広い範囲から水や養分をはこんで、根に受けわたしているというのです。
カラスノエンドウの根が菌と共生しているというのは知っていましたが、
森の木のほとんど菌類と共生しているなんて、
世の中まだまだ知らないことばかりだと思い知らされます。
 

 
そんな森の裏側にできている精巧なシステムを
とてもわかりやすく描いたのが『森の舞台うら』です。
 
絵は、『くだものだもの』などの多数の絵本を執筆されてきた山村浩二さんが、
実際の森を取材して、実物から離れてしまわない絶妙なところで、擬人化して描かれています。
たとえば、24ページ。
葉が枝から離れたあとに残る「葉痕」までしっかり描かれています。
この葉痕はコナラのものです。
親しみやすい表現の絵ですが、細部にまで心をくばり、
科学的な事実もしっかりおさえてあるのです。
 

 
そろそろ芽吹きがはじまります。
森が1年でもっとも美しい季節。(だと担当者は思っています)
ぜひ『森の舞台うら』を読んで、森に出かけてみてくださいね。
森の見え方が変わっているはずです。
 
(K)
 
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2018年2月15日木曜日

『カブトムシの音がきこえる』

たくさんのふしぎ2018年3月号は『カブトムシの音がきこえる』です。
http://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_fushigi/



カブトムシといえば、夏休みの昆虫採集でもとりわけ人気の虫ではないでしょうか。
しかし寒さ厳しい今は、まるまるとした幼虫の姿で土の中にいます。
この時期は「地面の下でひたすら腐葉土を食べてすごしている」……と、図鑑や本などには書いてありますが、カブトムシの幼虫たちが11か月もの長い時間を、地中でどんな風にくらしているのでしょう。

ただひとところで腐葉土を食べ続けるのか? 1匹だけでくらしているのか? 天敵は……? 

地中でのカブトムシの幼虫の暮らしぶりを、地上での暮らしぶりをつたえる本のように、生き生きと描く一冊をつくれないか、そんな本ができたら喜んでくれる子どもたちがいるのではないかと本作りをはじめました。

早速テキストを書いてくださる方をさがしました。今から6年ほど前のことです。そこで出会ったのが、幼虫たちの生態の研究をはじめられていた当時26歳の東大大学院生の小島渉さんでした。

きくと、幼虫たちは地中で“集団生活”を送っている、ということがわかってきていました。ただし、まだいくつか解けていない大きな謎がある、とのことでした。
そこで、全容がわかったら絵本にしましょう、とお約束し、ご研究をまってできあがったのがこの本です。

ここで、取材の様子を少しご紹介!


カブトムシの成虫が活発に動き始める、夜11時も過ぎたころ。
昨年夏、東京都心部にある某公園にて、作者の小島さん(左)と公園を管理する方(右)とともに、カブトムシを探しました。
実はカブトムシは、落ち葉や朽ちた木の多い公園・学校など、意外と身近な場所に多く生息しています。幼虫のエサとなる腐葉土があるためです。


そこには驚くほどたくさんのカブトムシが!


昼間の公園で、アジサイの陰で休むカブトムシを発見!

なかなかの大きさです。


小島さんのほかにも、たくさんのカブトムシ幼虫に関する最先端の研究をされている方々にご協力いただきました。

幼虫たちはどうして土の中でちりぢりにならないのか。
なぜ腐葉土だけを食べて体を短期間で大きくすることができるのか。
蛹の状態で何が起きているのか。

最新の研究によって徐々に明らかになってきたカブトムシの幼虫のひみつが、この一冊につまっています。

ぜひお手にとってみてください。

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