2016年8月5日金曜日

川は道 森は家

夏真っ盛り。山や高原に行かれる方も多いでしょう。

9月号『川は道 森は家』は、日本のお隣にある、森のお話です。



北海道の向こう岸、ロシアの沿岸に、

「ウスリータイガ」と呼ばれる森がひろがっています。

北海道からだと、東京へ行くよりも近い距離にあるこの森には、

今もトラが棲んでいると言われています。



ここを旅したのは、写真家の伊藤健次さん。

地元の猟師といっしょに舟にのり、

川に沿って、森の奥へと進みました。



川は、まるで迷路のよう。

本流から支流がわかれ、大きく迂回して、また合流しています。

人間がまったく手をつけていない、ありのままの川の姿は、

なんともダイナミックです。





この森にはさまざまな生き物が棲んでいます。

これは森の中でシマリスがこっちを見ていたという場面。

シマリスは、その神出鬼没さから、「小さなトラ」と呼ばれているそうです。






森には先住民族の猟師たちが暮らします。

シカやイノシシを狩り、魚をとり、森の木で小屋を建てる――。

彼らは言います。「私たちにとって、森は家」だと。



ウスリータイガの、人・動物・植物の営みを、みずみずしい感性を通して描いた作品です。

ぜひ手にとって、森に満ちる清新な空気を感じてみてください!


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2016年7月8日金曜日

分水嶺さがし

 今年の梅雨は、きちんと雨が降っているようです。
 さてその雨、地面に落ちると、小さな流れを作って川に注ぎ、海や湖へと向かいます。
 降った雨がこちらの川とあちらの川に分かれて流れ始める、まさにそのてっぺんの場所を「分水嶺」といいます。8月号は各地に分水嶺をたずねる『分水嶺さがし』


 作者の野坂勇作さんは、ふとしたきっかけで分水嶺の存在に目覚め、地元の中国地方を中心に、分水嶺をさがし歩きます。
 分水嶺といっても険しい山であることもあれば、なだらかなこともあります。なだらかな場所で役にたつのが、ペットボトルに入れた「水」。それを道のわきの溝に流して、左右に分かれて流れだしたら、そこが確かに分水嶺である証拠。
 ある場所では、分水嶺上に家やポストがたっており、「屋根の左側に落ちた雨は日本海へ、右側に落ちた雨は瀬戸内海へ注ぐ」といったことが起きています。


 分水嶺さがしのいいところは、身近なところから世界規模でも楽しめること。日本列島をつらぬく大きな分水嶺もあるし、スエズ運河やパナマ運河も、実は分水嶺を越えて作られているのです。
 かと思えば、小さな分水嶺は私たちの住んでいる住宅地にも、福音館書店の近所にだって存在します。

 地元の分水嶺さがしは、夏休みの自由研究のテーマにもぴったり。親子で地図を広げて、どこに分水嶺があるか推理し、実際に行って確かめてみてください。

(I)


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2016年6月10日金曜日

アボリジニの紡ぐ美しい世界!『四万年の絵』

今から250年くらい前まで、オーストラリアには、現在アボリジニと呼ばれる人だけが住んでいました。

そして、オーストラリアのあちらこちらには、アボリジニの人たちが描いた古い岩絵がたくさん残っています。『四万年の絵』20167月号)は、そんな岩絵の数々を紹介する本です。

岩絵の中にはとても古いものがあり、今から四万年くらい前の、人間が描いた最も初期の絵があるといわれています。

はるか長い時間を超えて、当時の人々がどんなふうに暮らし、何をみて、どんなことを考えていたのか、岩絵は様々なことを私たちに語りかけてきます。

岩絵には、動物の絵が多く描かれています。アボリジニにとって大切な食料だったカンガルーのほか、オーストラリアに生息する珍しい動物、ワラビーやハリモグラ、エミューなどなど…。

動物の特徴をとらえた素朴な絵は、眺めているだけでも楽しいものですが、巨大な鳥ゲニオルニスそっくりな鳥の絵や、背中からおしりにたてじまが入っているフクロオオカミの絵など、今は絶滅してしまった動物を描いたのでは、と推測されるものもあり、過去の様子が見えるようで、わくわくしてきます。



「アボリジニの人たちは、人はほかの生き物の魂とつながって生まれてくると考えていました。カンガルーの魂とつながっている人もいれば、ワニやエミューの魂、草や木、虫の魂とつながっている人もいます。(中略)こうしたつながりは、とても大切なものと考えられていました。」


岩絵には、アボリジニの世界では重要な意味を持つ精霊もたくさん描かれます。世界がどのようにできたのかくわしく知る者が、一人前とみなされる社会で、岩絵は、アボリジニの物語を確かめるように、何万年もの間、何度も何度もかさねて描かれてきました。


簡潔で美しい岩絵を通して、アボリジニの人々がもつ独特の世界観にぜひふれてみてください。

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2016年5月24日火曜日

世界遺産・富岡製糸場ってどんなところ?


富岡製糸場といえば、2014年に世界遺産に登録されたことが記憶に新しいかと思います。


6月号『富岡製糸場―生糸がつくった近代の日本』では、建物のしくみから蚕の飼い方の変遷、生糸をめぐる社会の移り変わりなどを、豊富な写真と図版で子どもたちにもわかりやすく伝えています。


富岡製糸場は、明治5年に建設され、以降115年ものあいだ操業されました。当時製糸技術のすすんでいたヨーロッパの工場とくらべても、倍近い大きさがあったため、時代をへて機械が入れかわっても、そのまま使い続けることができたのです。

表紙に使われている写真は、繰糸所という繭から糸をつくるところを撮影したものです。これを見るだけでも、100メートルを超えるというその大きさが伝わってくるのではないでしょうか。

ヨーロッパでは、蚕の病気がはやって生糸(絹糸)の生産量が大幅に減ってしまっていたため、大量の生糸が必要となりました。日本では生糸を作れば売れる状況となり、粗悪な生糸が輸出される事態もあらわれはじめました。これを防ぐために、フランスから技術者を招き、国がつくった工場が、富岡製糸場です。


繭から糸をつくる機械の開発は、自動車などにのちに生かされることとなり、生糸の運搬のための鉄道も整備されるなど、製糸産業から日本の近代化が進むこととなります。その中心となった富岡製糸場は、「産業博物館」のような存在なのです。


富岡製糸場にこれから行くかたも、「もう行った!」というかたも、ぜひ一度手に取ってみてください。富岡製糸場を、より深く知ることができますよ。

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2016年4月13日水曜日

新しい「たくさんのふしぎ傑作集」を紹介します!

4月になり、新学期がはじまりました。
我が家の息子も年中さんになり、日々成長を感じます。
最近、トイレでおしりをふく練習をしようかという話になりました。
今やトイレットペーパーでふくのは当たり前、ウォシュレットがないと……
という方も多いのではないでしょうか?
でも、昔はどうやっておしりをふいていたのでしょうか?

今日は新しい「たくさんのふしぎ傑作集」の中から、
『おしりをふく話』をご紹介します。




さて、先ほどの疑問「昔はどうやっておしりをふいていたのか?」ですが、
一昔前は新聞紙や古雑誌などの古紙を使っていました。
(聞いただけで、おしりが痛くなりそうですね。)



では、もっと昔は・・・?

そのような、紙の話だけでなく、
昔はどういう風に用をたしていたのか?
どういう生活をしていたのか?
など、読み進めていくうちに、たくさんの発見がありますよ。

『おしりをふく話』にとどまらず、
ものがあふれ、ワンクリックで何でも買えてしまう今を考えるきっかけとなる
子供から大人まで楽しめる本です。

今回、他にも7点「たくさんのふしぎ傑作集」を刊行しました。
テーマも多岐にわたります。
それぞれ面白いので、ぜひ一度手にとって読んでみてくださいね。


(T)




(左上から順に)
『小さなプランクトンの大きな世界』 小田部家邦 文/高岸昇 絵
『ツバメ観察記』 孝森まさひで 文・写真
『おしりをふく話』 斎藤たま 文/なかのひろたか 絵
『おおふじひっこし大作戦』 塚本こなみ 文 /一ノ関圭 絵
『青函連絡船ものがたり』 宮脇俊三 文/黒岩保美 絵
『自転車ものがたり』 高頭祥八 文・絵

※各本体1300円+税


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