2016年12月9日金曜日

線のふしぎ


2017年1月号は

『線とあそぼう』(杉田比呂美 さく)です。



文字を書くとき、スポーツをするとき、想像するときも、
私たちはいろんな線を使って生きています。

線とは実にふしぎなものです。
あなたが読んでいるこのディスプレイの文字は、もちろん線。
それを入力したキーボードも、ひとつひとつのキーが線(あるいは溝)で分けられているから、
文字や数字を間違いなく入力することができます。



パソコンのディスプレイを絵に描いてみてくださいと言われば、
多くの人が、線で四角形を描くのではないでしょうか。
ディスプレイそのものまわりには、目に見える線などないのに、
私たちはものの輪郭を線として認識しているのです。



キーボードを打つ手のひらを見れば、指紋や手のしわの線。
世界であなただけがもつ線が無数に刻まれています。



目に見えない図形を思い描き、
星座を想像することができるのも、線があるから。



こうしても思い巡らせていけば、線のない世界を想像することすら難しいほど、
線は私たちの生活に深く関わっています。
そんな線のふしぎの入り口になるのが本作です。


今号には、イラストレーターのミナミタエコさんの一枚絵もついています。
あわせて、どうぞ!


(K)

■「たくさんのふしぎ」のご購入方法はこちらです。
(1)全国の書店さんでお買い求めいただけます(お取り寄せとなる場合あり)。
(2)送料がかかりますが小社に直接お申し込みいただくこともできます。より詳しくはどうかこちら(↓)をご覧ください。http://www.fukuinkan.co.jp/magazine_buy.html
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2016年10月12日水曜日

「カメムシ」が宝ものに!?

たくさんのふしぎ11月号は、

『わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話』です。
(鈴木海花 文 はたこうしろう 絵)





本作のファクトチェックをお願いした伊丹市昆虫館の学芸員、長島聖大さんが、
兵庫県の高校で、カメムシのイメージを調査したことがあります。
「好きか嫌いか」の問いに、「嫌い」が73%、「どちらでもない」が、26%、
好きはたったの1%・・・だったそうです。



これほど嫌われ者のカメムシが「宝もの」になるという奇跡のようなことが、
岩手県葛巻町にある江刈小学校で起こりました。
はじめ、ここの子どもたちや先生たちにとっても、
カメムシはやっかいもの以外の何ものでもありませんでした。



しかし、「カメムシにはいろんな種類がいるようです。
私も知らないのでみんなでいっしょにしらべてみませんか?」
というある日の朝礼での校長の言葉をきっかけに、
小学校をあげて近所でのカメムシ探しがはじまります。
ただ嫌なものだと思っていたカメムシが、
色、模様、形などバラエティーにとんだ生きものであることに気づいてゆきます。




そして、江刈小学校の児童たちが見つけた35種のカメムシを載せた
「カメムシずかん」が完成しました。




学校のみんなの熱意は、カメムシの研究者も動かします。
研究者たちは小学校を訪れ、
翌年には子どもたちといっしょにすることになりました。




本のなかでは描かれていませんが、
翌年の合同調査で、100種のカメムシが同定され、
調査結果は正式な論文として発表されました。


私たちの足下には「宝もの」たちが生きているということ、
そして、よく調べよく知れば、「宝もの」をだれでも見つけられるということを、
本作をとおして感じて頂ければと思います。


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2016年8月5日金曜日

川は道 森は家

夏真っ盛り。山や高原に行かれる方も多いでしょう。

9月号『川は道 森は家』は、日本のお隣にある、森のお話です。



北海道の向こう岸、ロシアの沿岸に、

「ウスリータイガ」と呼ばれる森がひろがっています。

北海道からだと、東京へ行くよりも近い距離にあるこの森には、

今もトラが棲んでいると言われています。



ここを旅したのは、写真家の伊藤健次さん。

地元の猟師といっしょに舟にのり、

川に沿って、森の奥へと進みました。



川は、まるで迷路のよう。

本流から支流がわかれ、大きく迂回して、また合流しています。

人間がまったく手をつけていない、ありのままの川の姿は、

なんともダイナミックです。





この森にはさまざまな生き物が棲んでいます。

これは森の中でシマリスがこっちを見ていたという場面。

シマリスは、その神出鬼没さから、「小さなトラ」と呼ばれているそうです。






森には先住民族の猟師たちが暮らします。

シカやイノシシを狩り、魚をとり、森の木で小屋を建てる――。

彼らは言います。「私たちにとって、森は家」だと。



ウスリータイガの、人・動物・植物の営みを、みずみずしい感性を通して描いた作品です。

ぜひ手にとって、森に満ちる清新な空気を感じてみてください!


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2016年7月8日金曜日

分水嶺さがし

 今年の梅雨は、きちんと雨が降っているようです。
 さてその雨、地面に落ちると、小さな流れを作って川に注ぎ、海や湖へと向かいます。
 降った雨がこちらの川とあちらの川に分かれて流れ始める、まさにそのてっぺんの場所を「分水嶺」といいます。8月号は各地に分水嶺をたずねる『分水嶺さがし』


 作者の野坂勇作さんは、ふとしたきっかけで分水嶺の存在に目覚め、地元の中国地方を中心に、分水嶺をさがし歩きます。
 分水嶺といっても険しい山であることもあれば、なだらかなこともあります。なだらかな場所で役にたつのが、ペットボトルに入れた「水」。それを道のわきの溝に流して、左右に分かれて流れだしたら、そこが確かに分水嶺である証拠。
 ある場所では、分水嶺上に家やポストがたっており、「屋根の左側に落ちた雨は日本海へ、右側に落ちた雨は瀬戸内海へ注ぐ」といったことが起きています。


 分水嶺さがしのいいところは、身近なところから世界規模でも楽しめること。日本列島をつらぬく大きな分水嶺もあるし、スエズ運河やパナマ運河も、実は分水嶺を越えて作られているのです。
 かと思えば、小さな分水嶺は私たちの住んでいる住宅地にも、福音館書店の近所にだって存在します。

 地元の分水嶺さがしは、夏休みの自由研究のテーマにもぴったり。親子で地図を広げて、どこに分水嶺があるか推理し、実際に行って確かめてみてください。

(I)


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2016年6月10日金曜日

アボリジニの紡ぐ美しい世界!『四万年の絵』

今から250年くらい前まで、オーストラリアには、現在アボリジニと呼ばれる人だけが住んでいました。

そして、オーストラリアのあちらこちらには、アボリジニの人たちが描いた古い岩絵がたくさん残っています。『四万年の絵』20167月号)は、そんな岩絵の数々を紹介する本です。

岩絵の中にはとても古いものがあり、今から四万年くらい前の、人間が描いた最も初期の絵があるといわれています。

はるか長い時間を超えて、当時の人々がどんなふうに暮らし、何をみて、どんなことを考えていたのか、岩絵は様々なことを私たちに語りかけてきます。

岩絵には、動物の絵が多く描かれています。アボリジニにとって大切な食料だったカンガルーのほか、オーストラリアに生息する珍しい動物、ワラビーやハリモグラ、エミューなどなど…。

動物の特徴をとらえた素朴な絵は、眺めているだけでも楽しいものですが、巨大な鳥ゲニオルニスそっくりな鳥の絵や、背中からおしりにたてじまが入っているフクロオオカミの絵など、今は絶滅してしまった動物を描いたのでは、と推測されるものもあり、過去の様子が見えるようで、わくわくしてきます。



「アボリジニの人たちは、人はほかの生き物の魂とつながって生まれてくると考えていました。カンガルーの魂とつながっている人もいれば、ワニやエミューの魂、草や木、虫の魂とつながっている人もいます。(中略)こうしたつながりは、とても大切なものと考えられていました。」


岩絵には、アボリジニの世界では重要な意味を持つ精霊もたくさん描かれます。世界がどのようにできたのかくわしく知る者が、一人前とみなされる社会で、岩絵は、アボリジニの物語を確かめるように、何万年もの間、何度も何度もかさねて描かれてきました。


簡潔で美しい岩絵を通して、アボリジニの人々がもつ独特の世界観にぜひふれてみてください。

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