2015年12月24日木曜日

新しい1年は、へんてこ絵日記ではじまります

こんにちは。
年の瀬にむけ、年末進行だなんだと
妙に慌ただしい、たくさんのふしぎ編集部よりお知らせです。

小誌2月号は『へんてこ絵日記』です。



グラフィックデザイナーのU.G.サトーさんが描く、
ユーモアたっぷりの1年の絵日記です。

12月を描いたページには、こんなことが・・・



よく見てください。
街の看板を埋め尽くす、漫画やアニメやゲームの言葉の数々を。
担当者は、この場面を見ると、
小学生のときのことを思い出さずにいられません。
自分もそうでした。
そのころ、頭のなかにあったのは、自分の好きなことのみ。
しかも、クリスマス前。
プレゼントに何をもらおうか、真剣に悩みぬく時期ですから、なおのことです。
新聞の折り込み広告に入る、おもちゃ屋さんのチラシ、楽しみだったな。


さて、お次。
1月は・・・

 














いったい何がいけないのか、
私は昔から凧をうまく上げられないんですよね。
(みなさんはそんなことないですか?)
こんな凧なら、どんくさい(?)私でも楽しく上げられるかも。


担当者は、この絵本を読むたびに、
小学生のときに感じていた何かがよみがえってきます。
変なことばっかり考えてました。
きっと今の小学生のみなさんにとっては、いつも見ている世界そのもの。
しかも、それがもっとおもしろく、へんてこに見えてくること間違いありません。
自分も小学生の時にこの本に出会っていたらな・・・
もっとあの時が、楽しかっただろうな・・・と、すこしうらやましかったりもします。

大人も、「おおっ!」と声をあげてしまうような絵本です。
19場面ぜんぶに、わくわくするへんてこが描かれていますので、
ぜひ手にとって読んでみてくださいね。

(K)

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2015年12月4日金曜日

トドマツ

1月号は『トドマツ』。

作者は石黒誠さん。北海道在住の写真家で、身近な自然の様々なものごとを撮影し、紹介なさっています。「たくさんのふしぎ」2013年11月号『雪虫』の作者でもあります。

この『雪虫』、ご好評をいただいて早い時期に売り切れとなってしまいました。ご購入できなかった方、ごめんなさい。

トドマツの木の寿命は90~150年くらい、成長すると高さ30メートルにもなると言われています。森に行けば大きな木を見ることはできますが、その木が小さなときはどんな姿だったのか、想像するのはむずかしいですね。

石黒さんは、まつぼっくりの種から芽生えたトドマツが、どんなふうに成長していくのか、ていねいに写真におさめました。

本当に少しずつ、小さな葉や枝をのばしていく姿には、声援をおくりたくなります。芽生えて5年めでも、10センチにならないこともあるとはおどろきです。


トドマツが大木になるためには、病気や他の植物に打ちかっていかなければなりません。どんなものも、大きくなるのはたいへんなのだなあ、と子育て中の編集者は思うのでした。

(I)

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2015年10月30日金曜日

南極の生きものたち

先日、自宅のリビングにアリが数匹現れまして。マンションの3階なのですが。アリが苦手な妻と娘たちはパニックになっておりました。

そこですかさず私が、「地球上のアリの総重量と人類の総重量は同じという説があるよ」と言ったのですが、「今そんな話をされても何の解決にもならない」とひんしゅくを買ってしまいました。
 
ところで、地球上で一番総重量の多い生物は何でしょう? その答えがわかるのが12月号『南極の生きものたち』(水口博也 文・写真)。
 

南極大陸と周囲の海には、ペンギンやクジラなど、数多くの動物たちがくらしていますが、彼らみながエサにしているのが、「ナンキョクオキアミ」。南極海に浮かぶ氷の裏にはえる藻を食べて大量に育ち、人類の3~4倍の総重量になるそうです。


著者の水口博也さんはシャチの撮影などで著名な写真家。「たくさんのふしぎ」は創刊から間もない1988年7月号『コククジラの旅』いらい27年ぶりの登場となりました。
 
子育てをするペンギンたちのユーモラスな姿や、クジラがオキアミを大量に飲み込む迫力ある様子など、どの写真も見飽きないのですが、私が一番感じたのは、それら全ての舞台となっている南極のあまりの広大さなのでした。


(I)

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2015年10月2日金曜日

神々の花園

日本では四季折々の花が咲きますが、南アフリカに広がるナマクアランドという地域では、春のほんのひとときだけ、見渡す限りの花園が広がります。その圧倒的な様子を写真で紹介するのが、11月号『神々の花園』(澤野新一朗 文・写真)。

 

ほかの季節には砂漠が広がっているのですが、雨や気温などの条件がそろうと、こんなに美しい自然の花園が出現します。毎年同じ場所に現れるとは限らず、また年によって花の色も変わってしまうというのだから驚きです。


作者の澤野新一朗さんは、あるとき観光パンフレットに載っていた花園の写真を見て惹きつけられてしまい、それから二十数年、ナマクアランドに通い続けているとのこと。ご家族もその調査に巻き込まれているそうですが、これほど美しいものを目にできれば、文句もでないのかもしれませんね。


そういえば、先日亡くなられた画家の柳原良平さん(2014年4月号『貨物船のはなし』の作者)は、小学生のときに見た船の絵葉書に魅せられて、船の絵を描くことを一生の仕事となさいました。

いつの日か、「たくさんのふしぎの○○を読んで、○○を目指しました!」なんて言ってくれる人に会えるとうれしいですね。

(I)


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2015年9月1日火曜日

たくさんのふしぎ30周年記念「ふしぎ大展覧会」!

10月号には、一枚絵「ふしぎ大展覧会」がついています。
これは画家の遠山敦さんが原案を考え、
子どもたちに絵を描いてもらい、
みなさんの作品をひとつに合わせて作った
画期的一枚絵です。

ふしぎ編集部のメンバーの予想のはるか上をゆく名作の数々が出展されています。
お送り頂いたみなさんに、何度でもお礼申し上げたい。

ありがとうございました!

(K)


生きものたちの隠れたつながり

10月号は『食べられて生きる草の話』(高槻成紀 文/菊谷詩子 絵)です。





生態学者の高槻さんが、30年以上(!)にわたり、
宮城県の金華山で行った調査、研究を描いた絵本です。



この本で描かれていることを一言であらわすと、とてもシンプルです。
「金華山でシカとシバは共存関係にある」。
高槻さんはさまざまな調査と実験を繰り返し、この事実をつきとめました。
ただ知識として結論を知るだけでなく、私たちはどうすれば自然をより深く理解できるか、
その道しるべになればという思いを込めて、この本を書いてくださいました。
高槻さんがシカのとシバの調査をしながら、
どんなことを考え、どんな実験をして、この結論にいたるか、
いっしょに推理しながら読んでみてくださいね。

絵を担当してくださっているのはサイエンスイラストレーターの菊谷詩子さん。
高槻さんの調査や実験のポイントや思考の流れを、
親しみ安いタッチで、的確に描いてくださっています。



(K)

2015年8月21日金曜日

新刊発売のお知らせです

「月刊たくさんのふしぎ」として過去に刊行された作品を、ハードカバーとして刊行するシリーズ「たくさんのふしぎ傑作集」。現在、56作品が刊行されています。

このたび、「たくさんのふしぎ」創刊30周年を記念して、このラインナップに、新たに5作品が仲間入りすることになりました!


『かしこい単細胞 粘菌』 中垣俊之 文/斉藤俊行 絵
『まちぼうけの生態学』 遠藤知二 文/岡本よしろう 絵
『ゆかいな聞き耳ずきん』 石塚徹 文/岩本久則 絵
『ゴリラが胸をたたくわけ』 山極寿一 文/阿部知暁 絵
『みんなでつくる 1本の辞書』 飯田朝子 文/寄藤文平 絵

350冊を越えるバックナンバーの中から5冊を選び出すのは至難の業でしたが、、、「ふしぎをたんけんする月刊誌」ということで、ふしぎをたんけんすることがお仕事である研究者の方々の作品にしぼり、その中から5冊を選びました。

研究対象、研究スタイルはそれぞれですが、何かをふしぎに思う気持ち、そしてそのふしぎに迫ろうとする熱い思いは、皆おなじ! 

単細胞の生き物「粘菌」に
迷路を解くことができるのでしょうか?
昆虫採集・・・ではありません。
アカオニグモの狩りを観察するため
草むらでひたすら待ちつづけます
クロツグミの鳴き声を録音したテープを聞いてメモをとります。
鳴き方に決まりがあるらしいということが見えてきました

アフリカの熱帯雨林でゴリラの群れにホームステイ。
雄ゴリラが「グフーム」とあいさつしてくれるように

ええっ、机も「1本」なの?
さまざまな「1本」を求めて、いろんな人に話をきいていきます

ちょっとマニアックすぎるかもしれない、だからこそつい夢中になってしまう研究の世界を、どうぞお楽しみください。

「たくさんのふしぎ傑作集」新刊5冊、発売は9月2日です。

(E)

2015年7月28日火曜日

東京カタツムリたちの、楽園大冒険


たくさんのふしぎ9月号は、『カタツムリ 小笠原へ』 (千葉聡 文・コマツシンヤ 絵)です。

「はるか遠くの島にカタツムリの楽園があるんだって。
300万年前に海を渡ったご先祖さまの子孫がくらしているらしいよ……」。

そうきいた東京のカタツムリたちが1000キロ離れた太平洋上の小笠原諸島へやってきた。
そこは、天敵も少なく緑と湿度にあふれるすばらしい土地。
120種をこえる様々なカタツムリがくらしていた。
のろくて、慎重、乾燥にも弱いカタツムリが
いかに海を渡り大繁栄するに至ったのか、大冒険のはじまり

ふだん私たちが目にするカタツムリは、臆病で雨のとき以外はじっと物陰にかくれ、動きもとにかくゆっくり……。愛らしい生きものですが、子どもたちにとっては、カブトムシやトンボといったスターたちに比べ冴えない印象の生きものかもしれません。


ところが、そのカタツムリが、小笠原諸島ではほかの生物たちより群を抜き大繁栄している、という新聞記事を読み興味をもちました。

6年前、小笠原諸島は世界自然遺産に登録されたばかりで、その登録の筆頭理由にあげられたカタツムリの存在が注目されたようでした。また、近年の研究により、小笠原のカタツムリのなかでも特に目立って繁栄しているカタマイマイのなかまの祖先は、小笠原から1000キロも離れた日本本州にルーツがあることがあきらかになっていました。

小笠原母島乳房山山頂より堺が岳をのぞむ

記事を読んで以来、気になったのは、どうしてあのカタツムリが1000キロもの海を渡れたのか、そして、なぜそんなに小笠原で繁栄することになったのか、ということでした。2つの疑問を抱いて、記事を監修されていた東北大学大学院の千葉聡さんに会いにゆきました。千葉さんは、カタツムのろさ、移動能力の乏しさが、小笠原での大繁栄の鍵になっていたこと、そして、小笠原のカタツムリの進化は今も目に見えるかたちでまさに進行中であること、を話してくださいました。

小笠原は亜熱帯気候に属し、本州とは異なる独自の動植物の環境を保持しています。絵を担当されたコマツシンヤさんにはぜひ一度彼の地に立っていただきたい、とお連れすることになりました。

船にゆられること26時間。たどりついた6月の小笠原はすでに夏。むっとする湿気と暑さでした。この湿度がカタツムリたちを育んだのかと話しながら、カタツムリたちがすむ森の奥深くへ……。

研究調査に同行させていただいたため、取材は
起伏のあるジャングルを前へ前へ休むことなく進む
容赦のないものになりました

堺が岳山頂付近。
高い湿度で、視界が曇ってしまう

ぬかるむ斜面でのザイルをつかっての登攀、山あり谷あり……。コマツさんが、その冒険の様子もあますことなく伝えてくださっています。どんなカタツムリたちに出会えたのか、続きは本編でお楽しみください!

『カタツムリ 小笠原へ』 は、8月3日発売です。

(J)

2015年7月14日火曜日

ジュンク堂池袋店さんでふしぎフェア開催!

718日(土)からジュンク堂池袋店さんの8階児童書売り場にて、
「たくさんのふしぎ」フェアを開催していただくことになりました。
みなさんにあの本この本を手にとって見ていただけるように
準備をしておりますので、どうぞご期待ください!






また同じくジュンク堂池袋店さんの7階理工書売り場では、
7月11日(土)~8月10日(月)まで「大昆虫展」と銘打つフェアが開催中です。
このフェアをプロデュースされたのは、
小誌で来年秋に刊行予定の「わたしたちのカメムシ図鑑」(仮)の著者、鈴木海花さんです。




小誌の
『暗闇の釣り師 グローワーム』(小原嘉明 文/石森愛彦 絵、20151月号)、
『いのちのひろがり』(中村桂子 文/松岡達英 絵、20154月号)
を鈴木さんが、おすすめの本に選んでくださっていました!
ありがとうございます!




また、岩手のカメムシについての活動を紹介するパネルが展示されていたり、
子どもたちの図鑑の元になった『日本原色カメムシ図鑑』も販売されていたりします。




ほかにも、絵本から専門書まで、なんとも興味深い本の数々がそろえられています。
さらに、ブローチ、バッチ、バッグ、マグカップ、虫グッズも充実のラインナップ。
虫や生きものについて興味のある人なら、あれもこれも欲しくなってきっと困ってしまうほどです。
ちなみに、私は悩み抜いた末、虫関連の本2冊、グッズ2つでなんとか踏みとどまりました。

詳しくはこちら

2015年7月9日木曜日

「先生、ぼくにはしっぽがないんですけど」

たくさんのふしぎ8月号は、『しっぽがない!』 (犬塚則久 文・大島裕子 絵)です。



突然ですが、
動物たちの“おしり”を
思い浮かべてみてください。

イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、ネズミ、
カンガルー、ワニ、ヒツジ、ライオン……。
身近な動物から動物園にいかないと出会えない動物たちまで
おおくの動物に“しっぽ”があることに気づかれると思います。

ところが、わたしたちヒトやゴリラ、チンパンジー
などのオナシザルの仲間にはしっぽがありません。
ほかにも、意外なところでコアラやナマケモノなどにも
しっぽがありません。

多摩動物公園にてコアラのはく製、骨格
をみせていただきました
たしかにコアラにはしっぽがない!

動物に、しっぽがあるものとないものがいるのは、
なぜなのでしょうか?


さて、本誌にてこの謎にせまるのは、
コアラのふくろいくん と ヒトのあだちさん
そして、イヌのいぬやま先生です。



舞台は、脊椎動物(骨がある動物)が通う
「りくのうえ学校」。

ふくろいくんとあだちさんは、
他のクラスメイトにはしっぽがあるのに、
ふたりにはしっぽがないことに気づきます


謎ときの舞台は、森、サファリ、そして海中へとひろがってゆきます。
はたして3にんは、どんなこたえを手にするのでしょうか?



いろんなしっぽの仕事21種を紹介する
豪華4見開きもおたのしみいただけます。


(J)

2015年6月3日水曜日

北海道の河原でおいかけっこ

たくさんのふしぎ7月号は、
『おいかけっこの生態学』(遠藤知二 文・岡本よしろう 絵)です。



「おいかけっこ」だなんて、なんだかとっても楽しそうですが、
一体、だれがだれを追いかけるのかというと・・・・・・


オニグモをおいかけるベッコウバチを
研究者である遠藤知二さんが追いかける、というおはなし。

前作『まちぼうけの生態学』(たくさんのふしぎ20118月号 *)では
アカオニグモの狩りの様子を観察するために
ひたすらクモの網の前で待ち続けた遠藤さんですが、


今回は、ベッコウバチを追いかけて、フィールドを飛びまわります!

『昆虫記』を書いた虫の観察の達人、あのファーブルさんでも
ベッコウバチの観察には苦戦したとか・・・・・・


「人間の行動がひとりひとりちがっているように、
 キスジベッコウも一匹一匹ちがう行動をとっているのではないか?」
という疑問からはじまった、10年間の観察の記録をお届けします。

(E)


*『まちぼうけの生態学 アカオニグモと草むらの虫たち』は、
今年9月に「たくさんのふしぎ傑作集」の一冊として刊行予定です。

2015年5月29日金曜日

黒部峡谷鉄道の宇奈月駅にて

先週、ちょっとした用事で黒部に参りました。
(ちょっとした用事でいくところかとつっこまれそうですが・・・)
もちろんのってきましたとも、黒部のトロッコ電車。


たくさんのふしぎ傑作集『黒部の谷のトロッコ電車』を読んでおりましたので、
トロッコ電車の乗車体験がどれほどおもしろいものであったか、多くは語りますまい。
いや、しかし、すこし語りますと、この鉄道が何のために、どれだけの苦労をかさねつくられたか、
この本でそれを知るだけでも、ただの絶景ではない車窓風景が見えてきました。

黒部峡谷鉄道の宇奈月駅の売店に、
『黒部の谷のトロッコ電車』を置いてくださっていました。
黒部にお出かけの折は、トロッコ電車といっしょにこちらの本をお楽しみください。


(K)

2015年5月25日月曜日

わたしが外人だったころ

先日、新しい「たくさんのふしぎ傑作集」が発売しました。
わたしが外人だったころ』。
哲学者・鶴見俊輔さんと、イラストレーターの佐々木マキさんによる作品です。

 
 
鶴見さんは16才のとき、ひとりアメリカへ渡りました。
現地の大学に在学中、太平洋戦争がはじまります。
敵国人として留置場に入れられ、その後帰国しますが、
アメリカにいても日本にいても、自分を「外人」と感じ生きてきたと言います。
 


自分を外人と感じるのは、どんな気分なのでしょうか。
さびしい気分なのでしょうか。
 
鶴見さんは、その頼りない気分が、
今の自分のくらしを支える「力」になっていると言います。

 


私たちはふつう、どこかに属していますよね。属することによって、おおきな安心を得るものです。

一方で、そこの「外」側にいる人はどうでしょう。疎外感や、失望感を感じている人もいるのではないでしょうか。生きていく辛さや、しんどさに繋がってしまうこともあるかもしれません。

そんな外側を歩む人に、本書は静かに、しかし力強く、エールを送っているように感じるのです。
 
佐々木マキさんによる美しい絵が、ともすれば重くなりそうなテーマを、やわらかく包み込んでいます。子どもには少し難しい部分があるかもしれませんが、示唆あふれる味わい深い作品を、この機会にぜひ楽しんでいただきたいと思います。
 
N

2015年5月8日金曜日

川のホタル 森のホタル

ホタルの光というと、人間にとっては幻想的でどこか懐かしいものの象徴でもありますね。しかしそんなホタルたちが、生物として生き残るため、卵や幼虫、さなぎのときまで光っている、そんな驚きの生態を描いているのが、たくさんのふしぎ6月号『川のホタル 森のホタル』です。

ヘイケボタルのサナギ

著者の宮武健仁さんがホタルを撮影するフィールドのひとつが、故郷に近い徳島県吉野川市美郷。ここにある「美郷ほたる館」は、展示も充実していますが、すぐわきを流れる川でホタルたちを見られることも魅力。

http://www.misato-hotarukan.jp/

宮武さんによれば、数百匹のホタルが舞い飛ぶ光景を、「ホタル館の真横で見られる」とのことです。本誌5ページの写真もそのあたりで撮影したもの。



ホタルの季節には、周辺にたこ焼きやフランクフルトの屋台も出現するほどの賑わいになるそうです。おおかたの人たちは、夜8時前後のホタルが光るピークを過ぎるとお帰りになるので、(お子さん連れでは難しいですが)じっくり眺めたければ、11時ころからの2度目のピークをねらうのがよいかもしれません。ただ、ホタルは懐中電灯や車のライト(特にハザードランプの黄色い光)の影響を受けやすいと言われています。見物の際は、光るものは必要最低限のものだけに。
 
余談ですが、私は子どものときに本で読んだ、広島県に伝わる「ほたる合戦」の話が印象に残っています。戦国時代、毛利家と尼子家の戦いで亡くなった人たちの魂が、ホタルに宿って、今でも川をはさんで戦っているという話でした。いつかじっくり、そのゆかりの地を訪ねてみたいと思っています。
 
(I)

2015年5月1日金曜日

代官山 蔦屋書店さんで『いのちのひろがり』フェア開催中

代官山 蔦屋書店さんで、
『いのちのひろがり』(たくさんのふしぎ2015年4月号)を中心にして、
生命の多様な世界を描いた本を紹介するフェアが開かれています。



小誌5月号『木の実は旅する』や、
松岡達英さんの『ちきゅうがうんちだらけにならないわけ』などの生きものの本から、
『しずくのぼうけん』のように水の循環を描いた本まで、
さまざまな角度から「生命」や「地球」について考える作品がそろっています。

ちょうど緑がもっとも美しい季節をむかえ、
花がそこかしこに咲き、虫のうごきが活発になる季節です。
『いのちのひろがり』をはじめ、ここで紹介されている本を読めば、
身の回りにある自然のふしぎを、きっとあらたに発見できるはずです。

こちらのフェアはゴールデンウィーク明けまでの予定です。


代官山 蔦屋書店さんでは、
「たくさんのふしぎ」のバックナンバー、「たくさんのふしぎ傑作集」を
常時とても見やすい場所においてくださっています!


代官山のほうへお出かけになったら、ぜひお立ち寄りくださいね!

(K)