2019年5月7日火曜日

たくさんのふしぎ6月号『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』



たくさんのふしぎ2019年6月号は
『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』です。

ガラスでできた殻をもつ「珪藻」という藻がいる。さらにその極小のガラスの殻をつかって、驚異の「珪藻アート」作品をつくる人がいるときき、お目にかかったのが、著者となる奥修さんでした。
珪藻の一種。生きている珪藻は茶褐色
世界に数万種はいるとされる珪藻。海や川はもちろん、水たまりなど、水さえあればそこには珪藻の姿があるそうです。そんなとても身近な藻ではありますが、あまりにも小さいため、ふだん私たちが意識することはありません。

奥さんは、珪藻を川や海などから採集し、あらゆる方法をつかって殻を完全に美しい状態にし、プレパラート上にならべて作品を制作している……とのことでしたが、
珪藻アートはもちろん、珪藻自体もはじめて出会うテーマでした。子どもたちにどう伝えたらいいのか、ちょっと想像がつきませんでした。でも、作品を撮影した画像の美しさに、とにかくお目にかかってみたいと奥さんをたずねすることにしました。

本誌より。珪藻採集風景。このときは海に採集へ

奥さんのお宅で、「この中央に見えるのが私の作品です」と、作品が封入されたプレパラートを手渡されました。じっと見つめますが、直径数ミリほどの白っぽいくすみが見えるのみ。作品がどこにあるのかさえ判然としません。

さっそく、プレパラートを顕微鏡にセットしてくださり、のぞいてみて、息をのみました。そこには宝石のようにキラキラと輝く作品の姿が。
円形に緻密にデザインされた奥修さんの珪藻アート作品
微小なアート作品の例に、米粒に文字や絵を描く作品があげられますが、奥さんの作品の小ささはその比ではありませんでした。
本誌より。ヨーロッパで作られてきたクリスマスツリーデザイン

珪藻ひとつひとつの大きさは、大きなもので1ミリの10分の1前後、もっと小さなものもたくさんあるそうです。奥さんの生活は、この微小なガラスを自在に操るために衣食住、そのすべてがストイックなまでに管理されています。
珪藻の殻。ほとんどが0.1ミリにも満たない極小のガラス

まつげの先で珪藻の殻をあつかう……


空気中を漂う目に見えないほこりやちり、そして珪藻をならべる自身の手がまったくふるえないようにするため……無数の「してはいけないこと」を生活から排除して、作品はようやく完成します。

子どもたちに、この究極の微小の美の世界を紹介したいと、
本づくりにあたりました。
どうぞ本誌で奥修さんの珪藻アートの世界をおたのしみください。


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