2016年6月10日金曜日

アボリジニの紡ぐ美しい世界!『四万年の絵』

今から250年くらい前まで、オーストラリアには、現在アボリジニと呼ばれる人だけが住んでいました。

そして、オーストラリアのあちらこちらには、アボリジニの人たちが描いた古い岩絵がたくさん残っています。『四万年の絵』20167月号)は、そんな岩絵の数々を紹介する本です。

岩絵の中にはとても古いものがあり、今から四万年くらい前の、人間が描いた最も初期の絵があるといわれています。

はるか長い時間を超えて、当時の人々がどんなふうに暮らし、何をみて、どんなことを考えていたのか、岩絵は様々なことを私たちに語りかけてきます。

岩絵には、動物の絵が多く描かれています。アボリジニにとって大切な食料だったカンガルーのほか、オーストラリアに生息する珍しい動物、ワラビーやハリモグラ、エミューなどなど…。

動物の特徴をとらえた素朴な絵は、眺めているだけでも楽しいものですが、巨大な鳥ゲニオルニスそっくりな鳥の絵や、背中からおしりにたてじまが入っているフクロオオカミの絵など、今は絶滅してしまった動物を描いたのでは、と推測されるものもあり、過去の様子が見えるようで、わくわくしてきます。



「アボリジニの人たちは、人はほかの生き物の魂とつながって生まれてくると考えていました。カンガルーの魂とつながっている人もいれば、ワニやエミューの魂、草や木、虫の魂とつながっている人もいます。(中略)こうしたつながりは、とても大切なものと考えられていました。」


岩絵には、アボリジニの世界では重要な意味を持つ精霊もたくさん描かれます。世界がどのようにできたのかくわしく知る者が、一人前とみなされる社会で、岩絵は、アボリジニの物語を確かめるように、何万年もの間、何度も何度もかさねて描かれてきました。


簡潔で美しい岩絵を通して、アボリジニの人々がもつ独特の世界観にぜひふれてみてください。

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