さてその雨、地面に落ちると、小さな流れを作って川に注ぎ、海や湖へと向かいます。
降った雨がこちらの川とあちらの川に分かれて流れ始める、まさにそのてっぺんの場所を「分水嶺」といいます。8月号は各地に分水嶺をたずねる『分水嶺さがし』。
作者の野坂勇作さんは、ふとしたきっかけで分水嶺の存在に目覚め、地元の中国地方を中心に、分水嶺をさがし歩きます。
分水嶺といっても険しい山であることもあれば、なだらかなこともあります。なだらかな場所で役にたつのが、ペットボトルに入れた「水」。それを道のわきの溝に流して、左右に分かれて流れだしたら、そこが確かに分水嶺である証拠。
ある場所では、分水嶺上に家やポストがたっており、「屋根の左側に落ちた雨は日本海へ、右側に落ちた雨は瀬戸内海へ注ぐ」といったことが起きています。
分水嶺さがしのいいところは、身近なところから世界規模でも楽しめること。日本列島をつらぬく大きな分水嶺もあるし、スエズ運河やパナマ運河も、実は分水嶺を越えて作られているのです。
かと思えば、小さな分水嶺は私たちの住んでいる住宅地にも、福音館書店の近所にだって存在します。
地元の分水嶺さがしは、夏休みの自由研究のテーマにもぴったり。親子で地図を広げて、どこに分水嶺があるか推理し、実際に行って確かめてみてください。
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