10月号は『食べられて生きる草の話』(高槻成紀 文/菊谷詩子 絵)です。
生態学者の高槻さんが、30年以上(!)にわたり、
宮城県の金華山で行った調査、研究を描いた絵本です。
この本で描かれていることを一言であらわすと、とてもシンプルです。
「金華山でシカとシバは共存関係にある」。
高槻さんはさまざまな調査と実験を繰り返し、この事実をつきとめました。
ただ知識として結論を知るだけでなく、私たちはどうすれば自然をより深く理解できるか、
その道しるべになればという思いを込めて、この本を書いてくださいました。
高槻さんがシカのとシバの調査をしながら、
どんなことを考え、どんな実験をして、この結論にいたるか、
いっしょに推理しながら読んでみてくださいね。
絵を担当してくださっているのはサイエンスイラストレーターの菊谷詩子さん。
高槻さんの調査や実験のポイントや思考の流れを、
親しみ安いタッチで、的確に描いてくださっています。
(K)