たくさんのふしぎ11月号は『トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ』(長倉洋海 写真・文)です。
社会も政治も教育も、ニュースを見ていると気が滅入りそうになることが多い今日この頃ですが、長倉洋海さんが撮影したシベリアにすむネネツの人たちの姿を見ていると、「生きているって、なんてすばらしいことだろう」と、なんだか元気がわいてくる作品です。
遊牧民「ネネツ」の生活は、
担当者が好きな写真は16ページにあるトナカイ肉を食べる子どもを撮した一枚。
ネネツの人たちはかたくなに伝統を守っているだけではありません
インターネットで検索すれば、世界中のあらゆる場所の情報を得ることができます。写真も無数に出てきます。しかし、実際にその場所に行き、現場の空気を吸い、寝食をともにした人だけが伝えることのできるものがあります。長倉洋海さんの写真には、ネネツのくらしのありのままが撮されています。ただの記録写真を超えて、長倉さんのネネツの人たちへのあたたかなまなざしは、彼ら彼女たちの生きる姿の力強さをとらえています。そして、本を読み終えると、「生きる幸せとは何か?」という、