富岡製糸場といえば、2014年に世界遺産に登録されたことが記憶に新しいかと思います。
6月号『富岡製糸場―生糸がつくった近代の日本』では、建物のしくみから蚕の飼い方の変遷、生糸をめぐる社会の移り変わりなどを、豊富な写真と図版で子どもたちにもわかりやすく伝えています。
富岡製糸場は、明治5年に建設され、以降115年ものあいだ操業されました。当時製糸技術のすすんでいたヨーロッパの工場とくらべても、倍近い大きさがあったため、時代をへて機械が入れかわっても、そのまま使い続けることができたのです。
表紙に使われている写真は、繰糸所という繭から糸をつくるところを撮影したものです。これを見るだけでも、100メートルを超えるというその大きさが伝わってくるのではないでしょうか。
ヨーロッパでは、蚕の病気がはやって生糸(絹糸)の生産量が大幅に減ってしまっていたため、大量の生糸が必要となりました。日本では生糸を作れば売れる状況となり、粗悪な生糸が輸出される事態もあらわれはじめました。これを防ぐために、フランスから技術者を招き、国がつくった工場が、富岡製糸場です。
繭から糸をつくる機械の開発は、自動車などにのちに生かされることとなり、生糸の運搬のための鉄道も整備されるなど、製糸産業から日本の近代化が進むこととなります。その中心となった富岡製糸場は、「産業博物館」のような存在なのです。
富岡製糸場にこれから行くかたも、「もう行った!」というかたも、ぜひ一度手に取ってみてください。富岡製糸場を、より深く知ることができますよ。
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