2018年2月15日木曜日

『カブトムシの音がきこえる』

たくさんのふしぎ2018年3月号は『カブトムシの音がきこえる』です。
http://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_fushigi/



カブトムシといえば、夏休みの昆虫採集でもとりわけ人気の虫ではないでしょうか。
しかし寒さ厳しい今は、まるまるとした幼虫の姿で土の中にいます。
この時期は「地面の下でひたすら腐葉土を食べてすごしている」……と、図鑑や本などには書いてありますが、カブトムシの幼虫たちが11か月もの長い時間を、地中でどんな風にくらしているのでしょう。

ただひとところで腐葉土を食べ続けるのか? 1匹だけでくらしているのか? 天敵は……? 

地中でのカブトムシの幼虫の暮らしぶりを、地上での暮らしぶりをつたえる本のように、生き生きと描く一冊をつくれないか、そんな本ができたら喜んでくれる子どもたちがいるのではないかと本作りをはじめました。

早速テキストを書いてくださる方をさがしました。今から6年ほど前のことです。そこで出会ったのが、幼虫たちの生態の研究をはじめられていた当時26歳の東大大学院生の小島渉さんでした。

きくと、幼虫たちは地中で“集団生活”を送っている、ということがわかってきていました。ただし、まだいくつか解けていない大きな謎がある、とのことでした。
そこで、全容がわかったら絵本にしましょう、とお約束し、ご研究をまってできあがったのがこの本です。

ここで、取材の様子を少しご紹介!


カブトムシの成虫が活発に動き始める、夜11時も過ぎたころ。
昨年夏、東京都心部にある某公園にて、作者の小島さん(左)と公園を管理する方(右)とともに、カブトムシを探しました。
実はカブトムシは、落ち葉や朽ちた木の多い公園・学校など、意外と身近な場所に多く生息しています。幼虫のエサとなる腐葉土があるためです。


そこには驚くほどたくさんのカブトムシが!


昼間の公園で、アジサイの陰で休むカブトムシを発見!

なかなかの大きさです。


小島さんのほかにも、たくさんのカブトムシ幼虫に関する最先端の研究をされている方々にご協力いただきました。

幼虫たちはどうして土の中でちりぢりにならないのか。
なぜ腐葉土だけを食べて体を短期間で大きくすることができるのか。
蛹の状態で何が起きているのか。

最新の研究によって徐々に明らかになってきたカブトムシの幼虫のひみつが、この一冊につまっています。

ぜひお手にとってみてください。

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